子どもの教育再考

とある小学校のクラスで「医学部に行って医者になる」というのが流行りだそうだ。

「弁護士はもうダメ,看護師もいいけどやっぱ医者かな」という思考経路らしい。

 

 

冒頭部分についてはノーコメントである。

確かに,看護師も医師もすばらしい仕事だと思う。ただ,この前提となっている「勝ち組志向」というのか,その考え方がもう古いのではないか。

 

日本経済の先行きが不透明で暗い顔をしている大人の影響を受けて,子どもは安定志向なのだろう。ただ,子どもはとくに考えてみて欲しい。

例えば,バブル期,日本の経済状況は良かったかもしれないが,手に入れたお金で何ができただろう。

高級外車?今ならカローラと代わらない値段で程度の良いベンツでもBMWでも買える。むしろ当時のBMWに比べれば,今のカローラの方が良くできた車ではないかとさえ思ってしまう。バブル期にフェラーリに乗れた人は今でも乗れるだろうし,そもそも誰もが乗る車ではない。フェラーリで近所のスーパーにお買い物に出かけるのは苦行だろうと思う。

 

海外旅行?ショッピング?今ではスペインに2週間行こうと思ってもホテル代と航空券で1人7万円で済ますことも可能だ。欲しいものを何でもスマホで買える時代よりパリまで行ってブランド服や鞄を買い漁る方が高級だろうか。むしろそういうのはダサいと考えられるようになったのではないか。

 

家の快適性も高くなっているし,家電も何もかも全てバブル期と今では段違いである。むしろ私にはもうiPhone以前の世界を思い出すことができない。

経済状況は良くないのかもしれない。だけど,世の中は確実に良くなっている。

 

そして,お金を稼いでバーッと使うなんてのは古い価値観である。

フェラーリが好きで,どうしても欲しいなら,頑張って働かないといけないが,普通のサラリーマンでは相当難しいだろう。弁護士だって医師だってフェラーリに乗れるのはそんなに多くない。むしろ他の職業をおすすめしたい。

 

勝ち組なんて考え方はとうの昔に廃れたと思うし,ましてや未来に生きる小学生がそんなこと考えているのがショックだ。

私は,小学生が将来の職業など考える必要がないと思う。それよりもよく勉強してよく遊んで色んな可能性を感じて欲しい。

 

君たちが思っているよりも世の中はずっと発達していて,君たちが思っているよりも驚くような楽しい未来が待っているはずだ。

弁護士だの医師だのそんなことを考える暇があったら遊べ。