おいしいもの考

ご存知のとおり,おいしいものは脂肪と糖だけでできているわけではない。

ご飯にバターと醤油をかけたっておいしいけれど。

だからといって,脂肪も糖もほとんど含まれていない鰹節がおいしくないわけではない。

 

最近,忙しくてコンビニで昼食を済ますことが多かったが,数日続けるとすっかり飽きてしまった。カップ麺ではどん兵衛がお気に入りであるが,それでも何日も続けて食べるものではないし,おにぎりも家で握った方が好きだ。

コンビニに行っても食べたいものがなくて,事務所で適当にプロテインを飲んでいたが,これも別にうまいものではないので,遂には昼食を摂らないことが増えた。

もう少し暑くなってきたら,コンビニで蕎麦を買って2日くらいに分けて食べることになると思うが。

 

こんな乱れた食生活で恥ずかしいが,私はおいしいものが好きである。

我が家では真空低音調理器というのであろうか,ジップロックに食材を詰めて低音で調理する器具がよく登場するが,これがうまい。

 

スーパーで買った肉や魚のうまさを引き出すのはかなり難しい。

よく加熱しないと腹をこわすこともあるし,生焼けはそもそもまずい。

そうなると,特に豚肉などがイメージしやすいが,しっかりと火を通すことになり,身は固くなり,旨味は逃げてしまう。

良いレストランでは,肉を休ませたりしながら旨さを十分に引き出してくれるが,あれは職人芸であって素人がなかなか真似できることではない。

 

そこで,真空低音調理器である。

固くならず,かつ,安全を確保できる温度まで容易に加熱できる。

なるほど,今まで食べていたのは安全を確保する代わりに味を犠牲にしていた部分があったか,と思ううまさである。

身近な肉や魚ですらそうであるから,おいしい料理というのは相当奥が深いのであろう。

 

 

ただ,私は,うますぎない料理が好きだ。

昔,六本木だかどっかで食べた茶漬けで,大葉だのゴマだのなんだのと薬味が色々とのっていてちょっとそのときの気分に合わなかったことがある。

うまいものは色々とあるし,それをうまくバランスをとって組み合わせるというのも料理であるだろうが,シンプルに食べるのもまたおいしい。

結局,うますぎる料理は刺激を求めるには良いが,人間そればかりでもいけない。

うますぎない料理のおいしさも追及していきたいと思うのだ。