子どもの頃の夢のこと考

子どもの頃,ギターに夢中になった。

お年玉を貯めて楽器店でギターを買い,弾きまくった。

その頃は,なんとなくギタリストになりたくて,練習に明け暮れた。

 

大学生の頃,ギターはそれなりに弾けるようになったが,自分にはそれで食べていく才能がないと思い,それ以来,ギターを弾くのを止めた。

 

才能には,継続していくというものも含まれる。しかし,ミュージシャンというのは難しい職業で,継続しているだけではなれない人の方が多いだろう。だから,いま,諦めたことを別に後悔していない。

 

ただ,ふと思う。あの頃,自分はなぜミュージシャンになりたかったのか。

社会人になり,ミュージシャンという職業についても少しわかってきたつもりだ。

ミュージシャンには素晴らしいことも辛いこともあると思う。そういう意味では今の弁護士という職業と比べてどちらがいいとは思わない。

だけど,自分はあの頃,きっぱりとミュージシャンになりたかった。

 

多分,あの頃は,ギターを弾くのがうまくなりたかっただけなのだ。

その延長にミュージシャンがあっただけで,別に,日本武道館でライブをしたいとか,成功してリッチになりたいとか思ったことはない。自分がうまくなって,誰かが喜んでくれたらそれでいい。自分が,エリック・クラプトンジミ・ヘンドリックスのギターを聴いて感動したように,自分も誰かを喜ばせたかっただけなのだ。

 

何でもいい。自分がうまくなること,誰かを喜ばせること。それだけは変わらず,自分の夢として残っている。